神のことばを預かり、人々にこれを告げ知らせた旧約の偉大な預言者たち。彼らの生きた時代は、激動の時代、混沌の時代、信仰の見えにくい時代であった。しかし、彼らは言葉と行ないをもって、自らの生きざまをとおして、神から預かったことばを告げ知らせていった。人々の非難、無理解、苦しみの中で、自らの《預言者としての務め》を果たしていった。
　今、まさに激動の時代、宗教や信仰の意味に疑問が投げかけられている時代となり、キリスト者の《預言者としての務め》が叫ばれている。この時代に、預言者たちの生きた証しをとおして、私たちも神ご自身に深く出会い、各々が預かった神のことばをこの時代の中で証ししていくよう招かれている。
　本書は、この歩みのために多くのヒントと導きを与えてくれるであろう。

●目次
第一部　預言
１章　預言とは何か
２章　預言者の体験
３章　預言者とはだれか
４章　預言の表現
５章　預言の伝達
６章　申命学派
第二部　預言者と預言書
７章　エリヤ
８章　アモス
９章　ホセア
10章　アモツの子イザヤ（第一イザヤ）
11章　エレミヤ
12章　エゼキエル
13章　第二イザヤ書
14章　イザヤ書第三部
15章　マラキ
補遺
預言者の体験は、また神秘体験とも見なすことができるか


＊『続旧約聖書による霊性─預言書を読む─』（1984年、女子パウロ会発行）の改訂新版