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人間と宇宙的神化 証聖者マクシモスにおける自然・本性のダイナミズムをめぐって [知泉書館]

パウルスショップ価格: 7,150円(税込)

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東方ギリシア教父、ビザンティンの伝統の集大成者である7世紀の証聖者マクシモスの思想を明らかにした、わが国初の本格的業績。彼は西洋の源泉たる思想潮流を代表し、ヘブライ・キリスト教の伝統の上に古代ギリシア思想を摂取し、それらを統合した。東方教父に見られる自然と人間、ものと言葉の内的共感・一体化を感取する心性は、日本古来の心情とも呼応して空海の世界にも通ずるものである。

●目次
序 章
第1章 自然・本性(ピュシス)の開かれた構造
証聖者マクシモスの生涯と歴史/自然・本性のダイナミズム/信の動的かたち
第2章 「善く在ること」(アレテー)の成立をめぐって
問題の誕生の場に/円環的自己還帰的な構造/神の受肉したかたちとしてのアレテー
第3章 人間的自由と善の問題
自由な意志・択びの介在/悪と罪/超越的善と自己
第4章 情念と自己変容――身体・質料の復権
情念の起源とその終極/情念の浄めと変容
第5章 身体性の問題
魂と身体との自然・本性的結合 /魂の先在説に対する批判――魂と身体との同時的生成 /変容可能性を担うものとしての身体性
第6章 人間本性の変容と開花への道――「神と人との協働」と「信」をめぐって
神性・善性への意志的応答と聴従/神的働きと信との関わり―神的働き・恵みと人間的自由との協働/「信の測り」における関係性の論理
第7章 異なり,分裂,そして再統合―他者の問題
五つの異なりと分裂/創造と罪/万物の再統合への道/アレテーの統合と愛/他者と絶対他者
第8章 エクレシアの諸相と,その全一的かたち
「神の似像」および「世界の似像」としてのエクレシア/「人間の似像」および「魂の似像」としてのエクレシア/聖書が人間であり,世界が人間であること――ものの成立に関わる結合力と,善の問題/典礼のわざの象徴的意味/アレテーの成立と全一的交わりへの道
第9章 受肉と神化の問題――神人的エネルゲイアと人間
神化の意味と射程/神化の道の階梯/神化の道の内的契機/受肉をめぐる論の歴史的概観/受肉と神化との関わり―キリストにおける二つのエネルゲイア/脱自的な愛の経験から,その根拠へ―内なるキリストの発見/受肉の現在―結語に代えて

著者:谷 隆一郎 
判型:A5判上製
ページ数:376ページ
ISBN:978-4-86285-051-5
発行:知泉書館
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