被爆二世である著者は、30年あまり在宅ホスピスケアのあるべき姿を追求・牽引してきた医師として知られる。著者にとって懸案だったヒロシマと向かい合う旅が実現したのは2023年だった。被爆した父の足跡をたどるなかで、浮かんでくる風景とは何であったか。ホスピス医ならではの温かくも鋭い感性を背景に、思索を重ねた誠実な魂の記録。
●目次
まえがき
I
遡上の旅へ
旅立ちの朝
八月六日の朝、父はいつもヒロシマにいなかった
戦地から帰ってきて被爆した陸軍将校
初めて参加した平和祈念式
もう一つの平和祈念式
II
被爆時ピアノを弾いていた父
無音のなかでの神の臨在
目にした幽霊の行列
正視できない死体
被爆直後の二人の牧師
地獄からの脱出
絶望の中の希望
III
グラウンドゼロ
原爆による祖母、叔母、赤ちゃんの死
父が会った被爆米兵捕虜
被爆死した米兵捕虜のために立てた卒塔婆
生存被爆者の苦しみ
生存被爆者に対する悲嘆のケア
IV
戦後の政治情勢
生存被爆者のこころと平和運動のありよう
ベトナム戦争そして安田講堂事件
V
ヒロシマから発生した平和のベクトル
平和への祈り
意味の見いだせない原爆死
死者の語りかけ
旅の終着
あとがき
著者:川越 厚
判型:四六判 並製
ページ数:224ページ
ISBN:978-4-7807-2270-3
発行:本の泉社
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