マザー・テレサが上智大学を訪問した日を、今でも忘れられない。
　1981年4月の日曜日の朝、千人以上が体育館に集まり、低い演壇を囲んで床に座っていた。わたしは彼女の英語を日本語に訳すという光栄に浴した。彼女のメッセージは簡潔明瞭で、感銘深く、質問には心をこめ率直に応えていた。彼女の作り出す空気は、言葉以上に印象的だった。わたしたちは皆感じた。本当に聖なる人の前にいるのだと。
（中略）
　片柳弘史神学生は、すでに美しい写真と言葉を二冊の本で紹介し、マザーテレサのメッセージを広く読者に伝えている。三作目がより多くの読者に届き、この現代にこそ最も必要と思われる（聖なる生き方）を世に示した人物について、深く理解できることを願ってやまない。（上智大学学長　ウィリアム・カリー師の序文より）