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中世における信仰と知 [知泉書館]

パウルスショップ価格: 9,900円(税込)

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古代〜近世に発展し受容された思想を「信仰と知」で構築し直し、哲学的営為を描き出す。

●目次
第I部 教父思想
一 護教論者における信仰と知の問題(出村みや子)
 序論 古代キリスト教における護教論の展開
 1 真の哲学としてのキリスト教―殉教者ユスティノス
 2 「愚かであるが故にこそ信じられねばならない」―テルトゥリアヌス
 3 哲学の女主人としての知恵―アレクサンドリアのクレメンス
 結論
二 カッパドキア教父における信仰と知の問題(土橋茂樹)
 1 キリスト教信仰とギリシア哲学の関係をめぐる問題
 2 バシレイオスにおける「ウーシア」論の展開
 3 ニュッサのグレゴリオスにおける「デュナミス」論の展開
 結びに代えて
三 アウグスティヌスにおける信仰と知―フィロソフィアの原義に立ち返って(出村和彦)
 1 問題の所在
 2 信仰と知解
 3 フィロソフィアのはじめとしての信仰のあり方
 4 宣教者アウグスティヌスにおける信仰と知解
 5 「信仰の法則」と知解
 結び
四 神への関与のアナロギア―擬ディオニュシオスから証聖者マクシモスへ(谷 隆一郎)
 1 問題の提示
 2 善の分有・希求のアナロギア
 3 超越的な善と,「浄化,照明,脱自」の道
 4 善への関与における意志的アナロギア
 5 神人的エネルゲイアの現存
 6 意志的聴従ないし信のアナロギア
 7 結語に代えて
第II部 初期スコラ学と修道院神学
一 エリウゲナにおける信仰と知(今 義博)
 1 二つの書物
 2 聖書論
 3 信仰の第一位性
 4 理性の第一位性
 5 神の知と無知
 6 神の自己意識
 7 神についての人間の知識と知恵
 8 知識から知恵へ
 9 アナロギアと自由学芸
10 魂の自己知と自己無知
11 脱自と還没
二 カンタベリーのアンセルムスにおける信仰と理性(矢内義顕)
 はじめに
 1 信仰(fides)
 2 理性(ratio)
 3 理性の限界
 4 理性的な対話への開き
 結語
三 ペトルス・アベラルドゥスにおける理性と信仰 (K. リーゼンフーバー)
 1 問題設定
 2 理性の偉大さと限界
 3 理性的・人格的行為の理論としての倫理学
 4 イエスとの結びつきにおける愛の成立と完成
四 クレルヴォーのベルナルドゥスにおける愛の霊性(桑原直己)
 1 はじめに
 2 『神を愛することについて』における霊性段階説
 3 『雅歌説教』における霊性の発展段階説
 4 『雅歌説教』第八三説教から第八五説教における愛の理論
 5 『雅歌説教』第二三説教―ベルナルドゥスにおける霊的体験論の要約
 6 「味わい」(sapor)と「知恵」(sapientia)
 7 結語
五 サン・ヴィクトール学派における信仰と知(中村秀樹)
 1 知としての信仰
 2 聖書による知
 3 観想による知
 4 愛の知
 5 結語
第III部 盛期スコラ学
一 グローステストにおける「信」と「知」―二冊の書物〜自然と聖書(樋笠勝士)
 序 学問と宗教
 1 神学(theologia)の「網」と学問(scientia)の「網」―Dictum 118
 2 身体の「関節」(articulus)としての「信」―Dictum 129
 3 credibilia, scibilia, imaginabilia―『ヘクサエメロン』
 結語 「光の形而上学」と「信と知」
二 信仰の知的性格について―トマス・アクィナスの創造論を手がかりに(山本芳久)
 序 問題意識
 1 トマス創造論の基本構図
 2 「実在的な関係」と「概念的な関係」との「区別」
 3 世界の永遠性と創始性―トマス創造論におけるアリストテレスの位置づけ
 4 信仰の知的性格の意味するもの
 結論 「区別者」としての神と人間
三 アヴェロエス主義と知性単一論の問題(山内志朗)
 1 問題としてのアヴェロエス主義
 2 中世における知性論の枠組み
 3 知性論の系譜
 4 能動知性離在論の立場
 5 能動知性内在論の立場
 6 その他の能動知性論
 7 アヴェロエス説再考
第IV部 後期スコラ学から中世末期の思想
一 マイスター・エックハルトの本質的始原論(田島照久)
 1 聖書義解の方法
 2 信仰と直視
 3 本質的始原論
 4 類比的なものと同名同義的なもの
 5 「義と義なる者」と反復語法
 6 範型論
 7 譬えことば
二 ドゥンス・スコトゥスの信仰理解と神学の位置づけ(小川量子)
 序
 1 ハビトゥスとしての信仰の理解
 2 信仰と学知の両立不可能性
 結
三 オッカムにおける神学と哲学(稲垣良典)
 1 問題
 2 形而上学の消去
 3 神学と学知
 4 おわりに
四 クザーヌスにおける信仰と知―
 1 問題提起
 2 上昇の道行き
 3 絶対的無限性としての神
 4 三位一体論からキリスト論へ
 5 結語

編者:上智大学中世思想研究所
判型:A5判上製
ページ数:482ページ
ISBN:978-4-86285-151-2
発行:知泉書館

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