本書は長きに渡って親しまれてきた『小さき花』という自叙伝をテレーズ自身の手による構成に近い形で復元し、訳出したものである。すなわち本来、テレーズの自叙伝とされていた本は1896年から1897年にかけて彼女が記した三つの原稿(自伝、手紙)を編集したものであった。新しい自叙伝はそれらを原文写真版を参考に、もとの形で収め、テレーズ自身の手によるオリジナルに忠実に再現したものである。
さらに本書は1962年以来版を重ねてきたが、現代に人によみやすくという意向で1996年に伊従信子先生が訳を全面的に見直し、テレーズ独特の言い回しを文意を変えずに可能な限り読みやすさを考慮しながら再現したものである。
1997年に「教会博士」の称号を与えられたテレーズの研究は近年いっそう盛んになっている。本書を手にとる方にテレーズの取次ぎによって豊かな恵みが与えられることを願ってやまない。
原稿A イエスのアニエス院長にあてた原稿
原稿B み心のマリーにあてた手紙
原稿C ゴンザガのマリー院長にあてた原稿
付録 幼いイエスの聖テレーズが誓願の日に胸にしていた紙片
神の慈しみ深い愛にいけにえとしてわが身をささげる祈り
愛の死をとげた痛悔女の物語
テレーズ年譜