2002年ベトレヘム聖誕教会におけるパレスチナゲリラとイスラエル軍。今、39日間の包囲の真相をイブラヒム・ファルタス神父が語る。
2002年4月:全世界が固唾(かたず)を飲んでイスラエル軍による聖誕教会の包囲の成り行きに目を向けた。聖誕教会の中には、武装したゲリラを含んだパレスチナ人たちが閉じ込められていた。フランシスコ会士イブラヒム・ファルタス神父の証言によって、本書は内容豊かなものとなっている。神父は聖誕教会内にあって、仲介者としての労をとり、本事件の解決のために決定的な役割を演じた。本書には、その-部始終が報告されている。
包囲事件は、ドラマチックであると同時に、アラブとイスラ工ルの闘争の横深さを考えさせる出来事だった。ボナポロンタとインナロは,出会う両陣営のすべての人の声に耳を傾けた。その中には主人公的な人物もいれば犠牲者もいる。たとえば,レストラン経営者のダビデ、常に名前を知らせることのなかった交渉人たち、修道院のコック、看護婦であるシスター・リゼッタとシスター・ヌンツイアティーナなど。
本書には、べトレヘムのフランシスコ会士たちの役割が目立っている。彼らは平和のメッセージを勇敢に述べ伝え、その促進者となった。彼らの人間性は深くキリスト教信仰に鳩ざしていた。イエス・キリストのお生まれになった洞窟の上に建てられた、すべての教会の母である聖誕教会が包囲されたことは、象徴的な意味を持った。包囲の39日間は、「中東の状況を改善するものではなかった。しかし、不寛容と、憎しみと、暴力が広まり続けているという悲劇に、世界の目を向けさせ、考えさせる出来事であった」。